秦父が育てた孤児の兄弟は、秦婉音(チン・ワンイン)と秦婉玉(チン・ワンユー)の護衛となった。 兄のほうは秦婉玉に思いを寄せ、秦婉音は哀れみから、自閉症だという顧行川(グー・シンチュアン)をそばに置き、医者を探して薬も与えていた。 しかし、小舟が転覆したとき――顧行川は、彼女の唯一の救命胴衣を奪い、秦婉玉に与えたのだ。 その瞬間、秦婉音は悟る。 顧行川の“自閉症”など、ただの偽りにすぎなかったのだと。 絶望の中で溺れ死んだ秦婉音が、再び目を開けたとき―― 彼女はちょうど護衛を選ぶあの日に戻っていた。 彼女は迷わず決断する。 さようなら、あの偽りの護衛さん。